episode02

遺跡全域の測量と遺物の収集を行う

静岡市復興局長阿部 喜之丞

遺跡は発見されましたが、戦時中ということもあり、軍需工場の建設は最優先事項でした。軍の厳しい監視下のなかで、静岡市の復興局長だった阿部喜之丞氏は軍と工場に交渉し、復興局の技術員を動員して、遺跡全域の測量と遺物の収集を行いました。その結果は、「登呂遺跡第1次調査の記録」(平成2年刊行)に収録されています。

戦後の再発掘が比較的順調に進んだ理由として、戦争中にも関わらず正確な測量地図が作成されていたこと、そして発掘当初の資料の存在がありました。それは阿部氏と、復興局の技術員の方が、登呂遺跡の価値を正しく理解していたからに他なりません。

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